困ったプリ子と、いよいよ、同じチームで働く事になります。どうゆうふうに、看護師として、なっていきたいか話さないと、他人なので分かりませんよね?
1、どこを目指すのか、お互いに迷子になってしまう。(認識の不一致)
2、プリ子への関わり方がぶれてしまう。
3、プリ子が成長することが出来ない。
目標の一致の大切さ
目標一致の大切さを伝えていきます。
自分の普通が他人にとっては、普通では無かったりします。
あなたにも、経験があるかなと思います。私が実際に頭の認識を合わせるとこ(目標一致)が大切だなぁと、思った出来事がありました。
患者さんに「胃カメラの検査後、1時間は水分、お食事は取らないでください。」と説明しました。患者さんの状態が変わりないか、部屋を伺ったところ、お茶を飲んでいたのです。私は、まだ1時間経っていないのに、ちゃんと水分は取らないでくださいって、説明したのになんで??てなりました。
患者さんに確認したところ、「お茶は水分じゃないから飲んだ」と話していました。
私の頭の中では水分は、お水、お茶、ジュースなどですが、患者さんの頭の中で水分は、お水のみでした。
このように、自分の頭の中で考えてることが必ずしも、相手も一緒とは限りません。
なので、目標の一致(頭の中の認識の一致)が大切なのです!!
プリ子と目標一致をさせるための関わり
私は、まずプリ子に、2年目の目標を決めて貰いました。この1年で、目指していく所を師長、チーム間で、共有を出来るようにしていきたかったからです。
プリ子の目標は
1、優先順位決めて、仕事のスピードをあげる
2、できる処置を増やしていく
3、周りを見ていく (ひとつの事に集中し過ぎて、自分の受け持ち患者が変化してても気が付かないとのこと。)
上記の目標に近づけるように私は関わっていくことを伝えました。
なぜなら、看護師になる為に、必死に専門学校や大学の辛く、大変な座学と実習をして、国家試験を受けて合格しています。看護師になる為のお金だって決して安くはないですしね。
プリ子なりに、なりたい看護師像、看護師を目指した理由があると私は思いました。
プリ子と話しながら、私自身の看護師になろうとしたきっかけも思い出しました。そして、プリ子に、私の看護師になろうとしたきっかけ、看護師像を話しました。
また、私自身のプリセプターとしての目標をプリ子に伝えました。
「この1年間、看護師として仕事を続ける事が出来るようにしていきます。今の病棟じゃなくても、違う病棟や病院でも看護師を続けてもらう事が私の目標です。」「プリ子くんの目標に達成出来るようにサポートしていきます。」と伝えました。
なぜ、私のプリセプターとしての目標を話したかというと、プリ子に看護師を、続けていって欲しかったからです。私は、看護師として働いていて、辛いことが多くありました。今でも常に辞めたいと思います。
今でも辞めない理由として、患者さんを通して学んだ事が多く、そして、楽しい事、嬉しい事がありました。彼も少しでもいいから看護師を通して、楽しい事、嬉しい事を感じて欲しいと思いました。
プリ子は「はい。分かりました。」と返事はしてくれました。それ以上のリアクションは無かったです😭
プリ子が迷子になりました
ある日、プリ子が迷子になりました。
ほんとに迷子になった訳ではなく、彼自身で目標を立ててもらったのですが、そこに向かうことが出来なくなってしまったのです。
私の病院では、現在covid-19の関係で予定入院患者でも1回外来受診をしてから病棟へ入院となります。その時、外来看護師からの申し送りもあります。必ずリーダーと一緒に申し送りを聞く決まりになっているのです。
ある日、プリ子が予定の入院患者を受ける時に、1人で入院患者をとったのです。
私はリーダーをしており、別の患者さんの処置に付いていました。
私が処置から戻ってきた時にはもう既に、患者さんは、ベットにおり外来看護師は居ませんでした。振り返りをしてみると、いろいろ、プリ子は、この時点でやらかしています。
1、外来看護師からの申し送りを聞いていなかった。
2、看護問題を入院の受け持ちが立てるのですが、看護問題がズレている。
3、リーダーへの報告がない。(1人で入院患者を取れるのなら別にいいですけど、それでもリーダーへはどのような患者なのか、担当の先生に確認して欲しいこととかあるかもしれないので報告は必要ですよね?)
なぜ、このような事がおこったのか、あなたはどう考えますか??
私は、プリ子がそれぞれの決まり事に対して、なぜそれが必要なのか、根拠を理解出来てないから、このような事がおこったと考えました。
1、外来看護師からの申し送りを聞いていなかった。→まだ、プリ子は、看護師2年目ですし、患者を捉えられる視点が狭い傾向にあります。それを補う為に、リーダーも一緒に申し送りを聞く必要性があります。
2、看護問題を入院の受け持ちが立てるのですが、看護問題がズレている。→患者像を捉えられてないから、看護問題がズレる。疾患についての知識、身体のアセスメント、患者さんの段階(急性期、慢性期、リハビリ期など)を把握していればズレることは無いです。
3、リーダーへの報告がない。→チームで患者を見る必要性を理解していない。
私は上記のことをプリ子に話しました。
そして、勉強しているか確認しました。プリ子は「忙しくて、勉強できていません。」と。私はこの言葉を5回以上聞いており、勉強の仕方が分からないと言うので、どのように勉強するのか、私の実際にどのように勉強しているかまとめたノートをみせました。プリ子は、「そうやって勉強するんですね。浅かったです。参考にします。」と言ってました。
流石にもう、私は待てませんでした。
プリ子になぜ、看護師を目指したのか、どのような看護師になりたいのか、確認しました。
プリ子へ、業務はある程度出来ており、患者さんへの対応も丁寧でいいと思うことを伝えました。しかし、私からしてみれば、空のプレゼント箱を患者さんへ渡しているようなもので、中身が無い。そこに看護は無いとこを伝えました。
また、自分のような看護師に看護されたいか聞いてみました。
プリ子はしばらく黙り込み「その場面を想像できません。」と言うのです。
なので、私は、「究極な例えたかだけど、自分が入院をして、看護師に糖尿病ってどうやったら良くなるのか質問したら、その看護師は『分かりません』って答えてきたら、そんな看護師に自分のことを見て欲しくないでしょ?」と言いました。
プリ子は「想像ができません。わからないです。」と言うのです。
私は呆れてしまいました。看護師という職を目指して、看護学校に通って、ここまで来ているのに今さら、そこが想像出来ないというのです。
今まで、言われた事、決められた事、業務だけをこなしてきたんだなっていうことが浮き彫りになりました。
プリ子は「自分には向いてないです。人の命を預かることはできないです。」と言いました。
私は、この人は、自分が不足しているところをどうやったら補えるようになるのか、さらに、成長出来るかという事を考えることを放棄しているんだと思いました。
そんな人に何言っても無駄だなと、思いました。思ってしまいました。
プリ子の目標を改めて見てみると、看護というよりも、業務をいかに、早くこなせるかを重点にしていたんだなって今になって分かりました。
プリ子は業務、私は看護に重きに考えていればそれはズレてしまいますよね。
結局プリ子は看護師として成長することが出来なくなってしまったのです。
まとめ
なぜ目標一致が大切なのか
1、どこを目指すのか、お互いに迷子になってしまう。(認識の不一致)
2、プリ子への関わり方がぶれてしまう。
3、プリ子が成長することが出来ない。
私もプリ子が目標を持ってきた時に違和感はありました。しかし、プリ子が考えた事だし、否定してもいけないかなって思って、良しとしてしまいました。結果こんなことになってしまったのかなと思いました。
あなたは、プリ子にどんな風に看護師として成長していって欲しいですか?ただ決められた、看護業務をこなせばいいか、心のある看護を提供出来るようになって欲しいか。あなたの看護師になろうとしたきっかけはなんでした??
改めて目標一致、お互いの認識一致は大切だなと思わせてくれる出来事でした。